地主が借地権の売却を承諾してくれないときの対処法
親の家が「借地」の上に建っていた——。相続してから気づく方も多いケースです。借地権付きの建物を売るには、原則として地主の承諾が必要で、承諾が得られないと話が止まってしまいます。
なぜ地主の承諾が必要なのか
借地権は、地主から土地を借りて家を建てる権利です。建物を売ると、借地権(土地を借りる権利)も一緒に買主に移ります。地主にとっては、知らない人に土地を貸すことになるため、民法上、借地権の譲渡には地主の承諾が必要とされています。
承諾を得る際には、承諾料を地主に支払うのが一般的です。
地主が承諾しないときの4つの方法
1. 地主に買い取ってもらう
いちばん話が早いのは、地主に借地権(建物)を買い取ってもらう方法です。地主にとっては、土地が自由に使えるようになるメリットがあります。
2. 裁判所に「承諾に代わる許可」を求める(借地非訟)
地主が正当な理由なく承諾しない場合、借地人は裁判所に、地主の承諾に代わる許可を求める申立てができます(借地借家法19条)。これを借地非訟といいます。
裁判所は、専門家による鑑定委員会の意見を聞いたうえで、許可するかどうかや、承諾料にあたる金額などを判断します。
なお、この手続きの中では、地主が**「それなら自分が買い取る」と申し出る権利(介入権)**があります。地主が介入権を使うと、裁判所が決めた価格で、地主が建物と借地権を買い取ることになります。
手続きには時間と費用がかかるため、弁護士への相談が前提になります。
3. 地主と一緒に「底地」と同時に売る
地主が持つ土地の所有権(底地)と、あなたの借地権をまとめて第三者に売る方法です。完全な所有権として売れるため、別々に売るより高く売れる可能性があります。地主の協力が必要ですが、地主にもメリットがある提案です。
4. 借地権を扱う買取業者に売る
借地権の扱いに慣れた買取業者に売る方法です。地主との交渉を業者が引き受けてくれることもあります。価格は相場より低めになりやすいものの、交渉の負担を減らせます。
建物を取り壊して返すという選択肢
借地を使う予定がない場合、建物を取り壊して土地を地主に返す(借地契約を終わらせる)方法もあります。ただし、解体費用は借地人の負担になるのが一般的です。売れる可能性があるなら、解体する前に査定を取っておきましょう。
まとめ
| 方法 | 地主の協力 | 手間 |
|---|---|---|
| 地主に買い取ってもらう | 必要 | 少ない |
| 底地と同時に売る | 必要 | 中くらい |
| 借地非訟で許可を得る | 不要 | 大きい(裁判所の手続き) |
| 借地権の買取業者に売る | 業者が交渉 | 少ない |
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参考にした公的情報
この記事は一般的な情報をまとめたもので、個別の事情に対する法律・税務上の助言ではありません。制度の内容は変わることがあるため、最新の情報は記事内の公的機関のページでご確認ください。